食べ過ぎの話

 食べることと身体の関係は深いです。

 基本的に多くの方は食べすぎていることが多いです。

 成長期の子供がいくら食べても大丈夫なのは、成長の力の源になってどんどん栄養が使われるからで、成長が止まってからは自分の想像以上に食べる量は少なくても大丈夫になるのですが、それまでの食習慣の流れで食べすぎてしまうことが多いです。

 何かを食べると胃腸が働きます。身体にとっての適量であれば、あまり大きな問題はないですが、適量を超えてくると色々影響が出てきます。

 胃や腸は平滑筋という内臓特有の筋肉で動いていますが、中にたくさんのものが入っていれば当然動きにくくなりますし、消化のための労力も増えますから、疲れも溜まります。胃が張るとか、もたれるとかの経験がある人は多いと思います。

 内臓の状態は背中に現れます。具体的には内臓が疲れてくると背中が固くなります。背中が固くなると、体幹の背骨の動きは当然悪くなり、息苦しさだとか、腰や背中を痛めることにも繋がります。

 背骨は体幹部だけでなく頚椎、つまり首まで繋がっているので、食べ過ぎが首の動きにも関係してきます。このせいで肩が凝ったり、頭痛が起きたりします。

 さらに内臓が下の方に落ちる力が働きます。この力がずっと続くと内臓下垂になり、ここまでくると内臓だけではない影響も出てきてます。

 息苦しい、全身が重い、疲れやすい、やる気はあっても身体が動かない、感情に乗っかりやすい、精神的に沈む等々です。また昼眠く、夜に目覚めた感じになるのも一つの特徴です。

 さらに悪いことに胃腸以外の症状が出る頃には、内臓感覚が狂っているので、身体に取っての適量の満腹感や空腹感が分からなくなっています。結果としてさらに食べ過ぎてしまうことが多くなるので悪循環に陥ることが多いです。

 食べ過ぎというのはエネルギーの補充し過ぎということでもあるので、運動することでバランスが取れていれば比較的大丈夫ですし、毎日3食必ず同じようにではなく、お腹の空き具合に応じて食べる量を減らしてコントロールすれば何とかなります。

 一度内臓感覚狂いの悪循環に陥った場合は、気合いで食べないようにするか、内臓感覚を取り戻す施術やボディワークを取り入れた上で運動したり、プチ断食などに取り組んでいくと、ダイエット後のリバウンドのような失敗は比較的しにくいです。

 食べるというのは毎日のことですし、美味しいものを食べることが好きという人も多いと思います。しかしながら、食べ過ぎで体調不良に陥ったり、精神的な不調になったり、将来的に生活習慣病になってしまう人が多いのも事実です。

 できることなら多くの人にちゃんとコントロールした上で快適な毎日を送って頂けるといいなと思います。